伊藤智仁引退

はじまりと終わりとそれから。 10年前、彼の球は誰も打てなかった。ジャイアンツファンだったうちのオヤジが彼の登板の日は最初から諦めて見てたのを覚えている。 天才っていう言葉は彼の為にあるようなものだってその時思った。度重なるケガに泣かされ満足に力を出せず、どんなに歯がゆかった事か。 ほんの一瞬の輝きだったかもしれない。でもオレの中では永遠の輝き。記録だけじゃなく記憶にしっかりと刻まれた痕跡。 今でも信じて疑わない、あれはファウルだって事。今でもオレの中では最高のピッチャー。