信じるココロ

休憩してるサンタクロース

サンタはいくつぐらいまで信じてた?オレは多分、小学校3、4年生ぐらいまでは信じてたと思う。その正体が誰だか分かるまでは、毎年のプレゼントはもちろん楽しみだったけど、それとは別にもっと大きな使命があった。それはサンタを見ること。(捕まえたら来年もらえないって誰かに言われたから)
一年にたった一回しかないこのチャンスはとても貴重で、当たり前だけど結局一度も見る事はできなかった。近所の子がサンタを見たっていう話を聞くと正直ものすごく悔しかったのを覚えてる。今、思えばアイツは・・・。
クリスマスが近づく度に、今年こそは寝ないとか色々な対策を立てたけど、トイレに行ってる隙にプレゼントが置いてあったりと、サンタは常に巧妙な手口を使ってオレの心を何年もがっちりと掴んでた。でも小学校も中学年ぐらいになると、上の兄弟がいる子とかはその存在を知ってて、ワザとバラしたりと、信じてる子もちょっと疑ったココロを持ち始める。多分、年齢的にもこれぐらいが限界だと思う。
オレが何となくとサンタの正体に気づいてしまったのは、クリスマス前に家の中でかくれんぼをしてた時。偶然、きれいにラッピングされた大きな箱を見つけ、なぜか騒がず黙ってそのままにしておいたのを覚えてる。案の定、同じ包み紙のプレゼントがクリスマスの夜にサンタから贈られたものとして手にした時も、気を使ったのか前の年より大げさに喜んだ。
そんな所にしまった誰かが悪いのではなく、それを見つけてしまった自分が悪いんだと子供ながらにそう思った。
まぁそうやってオトナになって行くんだろうなって次の日ファミコンしながら初めてブラックコーヒーを口にして、いっちょまえに人生を悟ったクリスマスの思い出。
でも次の年もサンタのフリしてくれたオヤジのあの時の背中はオレが憧れるモノのひとつ。