『乗り越える勇気』

DUKE

昨年10月に、ハワイのカウアイ島沖でプロサーファーを目指していた13歳の少女がサメに襲われ、腕を喰いちぎられるという悲劇的な事故が起こった。

彼女、ベサニー・ハミルトンさんはその歳にして地元ではスター級のサーファーとして有名で、すでにスポンサーがつくほどの実力者だった。このニュースを聞いた大半の人々は、「気の毒に彼女の夢はわずか13歳で断ち切られてしまったんだ。それに恐怖から立ち直るのにも時間がかかるだろうなぁ」と暗澹たる気持ちに当然なったんだけど・・・

ところがその彼女!たったの2か月半で治療とリハビリを終え今月10日、ハワイのバンヤンズで開催された全国大会に出場、彼女のエージクラスで見事5位になったらしい。

ベサニーは大会後、こうコメントしている。

『良いスタートを切れたのは間違いないの。ロングボートでパドリングするのはそんなに難しくないんだけど、ボードに立つのが難しかったわね。いったん立っちゃえばOKなんだけどね。』

主催者側はベサニーにパフォーマンスの間隔を長く取ろうと提案したが、彼女は特別扱いを一切拒否して大会に臨んだ。

プロサーファーを目指す少女をテーマにした映画「BLUE CRUSH」では、ヒロインはビッグウェーブに巻かれてサンゴ礁に叩きつけられる恐怖を乗り越えるのに悪戦苦闘していた。でもそれが普通だと思う。それと比較すると、サーファーが腕を喰いちぎられるっていうのは、もうどうにもならない致命的な事故のように思えるし、またサメに喰われるんじゃないか、という恐怖を克服するには、一体どれだけの勇気が必要なのか、しかもこの短期間で・・・ちょっと想像がつかない。でも彼女はそれを克服し、見事に乗り越えた。

彼女のカムバックを目指す姿勢はアメリカで大きな共感を呼び、ヒロインになっているそうだ。すでに伝記の契約と彼女の名前をつけたファッション・ブランドが立ちあがる予定らしい。

強靭な意志と勇気があれば、どんな不幸な事故も幸運に変えることが可能だという見本であり、何だか胸が熱くなるそんな話・・・。

☆原文記事①☆
☆原文記事②写真有☆