氷上の格闘技

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カナダのスポーツと言えば真っ先に思いつくのがアイスホッケー。日本でも木村拓哉のドラマのおかげでホッケー人気が出てきているみたいだね。今日はアイスホッケーのBCHL*1の試合を見に行った。VictoriaにはプロリーグのNHL*2のチームは今のところないので、ここに住んでいる人はたいていVancouverにあるVancouver Canucksを応援している。このチーム、結構強くて、現時点でリーグ一位をキープしているBC州民の誇り。BCHLっていうのはNHL予備軍みたいな感じで20歳までのユース世代のリーグ。VictoriaにはVictoriaSALSAっていうチームがあって、今日は今シーズンの最終戦。来シーズンを左右するとても大事なゲームらしい。
試合が行われるのは最近、専用のリンクと建物が新たに出来たばかりのとてもキレイな会場。当日券が取れるか微妙だったから、少し早めに到着した。中に入ると真っ白のリンクと、場内に鳴り響く大音量の音楽が出迎えてくれた。会場の雰囲気を楽しむように辺りを見渡し、鳴り響く音楽に耳を傾け、しばらくすると両チームが現れて練習を始めた。プレイヤーは20歳ぐらいといっても体も同年代と比べても大きなほうで、各チーム15人ほどがそれぞれのゴールを使って黙々とウォームアップ。
その中に地元であるサルサチームにかなり目立つ存在が一人。幼稚園ぐらいの小さな子が、その中に一人紛れて一緒にやってるんだから・・・。しかもその子かなりうまくてびっくり。いっちょ前にユニフォームも着て、すばしっこくちょこちょことパックを追いかける姿に、場内は笑い声と拍手の嵐。スターティングメンバーのフリして、試合直前までコートにいたから、このまま試合に出るんじゃ?っていう淡い期待を抱いたけど、残念ながらそれはなかったみたい。これも演出なのかな・・。でもきっと数年後にはホントにその中に紛れてトッププレイヤーとしてプレーするんだろうなって誰もが思えるそんな小さなグッドプレイヤー。
試合は1ピリオド20分。各20分の休憩をはさんで3ピリオドまで行う。“RockYou!!”のイントロにまみれての試合開始。パックの早い動きに、最初はちょっと見失ったりもしたけどすぐに慣れた。壁に当たってのバウンドが、かなり重要となる所が、他のメジャースポーツとはちょっと違う。あと他のスポーツならとっくに退場の殴り合いも、この競技では必要で?重要なもののひとつ。
試合はというと結構、点の入るシーソーゲーム。SALSAが序盤、押されながらも先制し、その後追いつかれ、追加点を奪われ、追いつくといった面白い内容。コレは知らなかったんだけど、プレイヤーは1分ぐらいで交代する。みんな知ってた?しかも審判に言ったりとかしないで、自分の判断で交代できるみたい。代わりのプレイヤーは15人ほど待機していて、ところてん方式でどんどん送り出される。5人いっぺんに変わったりもするから、すぐにまた出番が来るけど、休みなくプレーすることはできないほどハードなスポーツ。
ゴールや惜しいプレーがある度に、大声出して喉が渇いてたから、第1ピリオドが終わってから飲み物を買いに売店へ向かった。すごい混んでたけど、回転が速くてちっとも待った気はしない。それよりも他の人が持ってるの見てたら欲しくなったから、オニオンリングとポテトフライをそれぞれ買ってしまった。日本と比べてもかなり安く、その上すごい量。ポンプ式のでっかいボトルに入ったケチャップとマスタードをたっぷりとカップに注ぎ、オニオンリングにはヴィネガー。当然、飲み物はビール!
飲みながら始まった第2ピリオドも、取って取られての目の離せない展開。試合が進むにつれ、互いの削り合いが激しくなる。観客もますますヒートアップ。SALSAに点が入ると会場が割れんばかりの大歓声。ホントに建物が揺れ、地鳴りがする。これは一緒になって大騒ぎしないと損。みんなと一緒に騒いだ。コレも文化。
白熱した試合は第3ピリオドも変わらず、残り2分を切ったところで、相手に勝ち越しを決められ、スコアは4−5。もう後がないSALSAはキーパーを外し、全員攻撃の捨て身に出たが、それが裏目になり、誰もいないゴールに駄目押しの黒いパックが突き刺さった。結局そのまま試合終了のブザーを聞くこととなり、SALSAは最終戦を白星で飾る事ができなかった。ちなみに前日の試合では7−3で勝ったらしい。今日始めて知ったチームだけどやっぱ悔しいもんだね。(笑)*3
負けてはしまったけど、ブーイングと良いプレーに対しての拍手や試合中の盛り上げ方は、みんな見慣れているだけあってうまいなって感じた。観客は小学校にも行っていないような、小さな子供から老人まで実に幅広く、その誰もがホッケーを愛しているように感じた。また各ピリオドの間のブレイクには観客を飽きさせない演出がいくつもあって、観客はそれにしっかり応えている。ゲームはただ目の前に与えられたモノを観に来るものではなく、最大限に楽しみ、声の限りを尽くして盛り上げ、プレーヤーや主催者側と一緒になって作り出すものだっていうことを教えられた気がする。サッカーもいいけど、より当たりが激しく、スピーディーなこの競技。カナダ人がハマる理由がよく分かった。


あぁ、読み返すとおもしろくもおかしくもないこの文章。おまけに変な文法っていうか言葉遣い…。ここまで飽きずに読んでくれてありがとう。直すの面倒だからこのままにしておく。じゃなくて反面教師として残しとく…。


◇PHOTO◇
◇アイス・ホッケーのルール◇
◇ Victoria Salsa−Official Page ◇

*1:BritishColumbiaHockeyLeague

*2:NationalHockeyLeague

*3:プロでは1−0とかも結構あるみたい。ちなみにこの日行われたバンクーバー・カナックスは2−0で勝利と試合中にアナウンスがあり会場は大盛り上がり