ロスト・イン・トランスレーション アゲイン!

Lost in Translation

今日は知り合いが教会で『Christmas Carol』を合唱するっていうから、クリスチャンじゃないけどこっちのクリスマスを楽しむ為に行ってきた。でも行ってからすぐ自分の間違いに気が付いた。知り合いっていうのは韓国人で、教会は韓国人教会・・。もちろん全てが韓国語。受付も牧師さんも何を言ってるのかさっぱりわからない。まさに『Lost In Translation』に放り込まれた感じだった。
でも来てしまった手前、そのまま帰るわけにもいかず、その場の雰囲気を楽しもうとアタマを切り替える事にした。一生懸命、韓国語を聞こうとしたが何の知識も無い(知ってるのは自己紹介と愛してるって言葉ぐらい)ため、周りを見ながら一緒に顔を伏せたり、アーメンって言ったり、なるべくその場から浮かないように心がけた。もちろん席も後ろのほうでなるべく目立たない位置取り。
牧師さんのお説教はかなり声に高揚があり、時に怒っているかのようにも聞こえた。その言葉に涙を流してる人も何人か見られ、ますます混乱した。何故、泣いてる?そういうのが途中、歌を挟みながら何度か繰り返されて、自分の集中力が限界の頃、一瞬自分でも理解できる言葉が聞こえた気がした。何か自分の名前を呼ばれたような・・・。まぁ気のせいだろうと思い、顔を上げると今まで前を向いていた人たちがみんな自分の方を見てる事に気づいた。
何が起こっているのか理解できず、自分の中でものすごい速さで色々な考えが浮かんだ。あの牧師の声の高揚はもしかして過去の日本との関係を述べていて、それを聞いた人々が涙していたのでは?とか・・・。だってみんなこっち見てんだもん。ワケわからん。オレ今からニホンジンってことで吊るし上げられるの?とかさえ考えた。
そしたら後ろのおばさんが『あなたの事よ!さぁ立って』と英語で言ったのでとりあえず立つと、一瞬の静寂・・・。それが永遠にも感じられたその時、今度はみんなから拍手の嵐。もう、ますますワケわからん・・・。またそのおばさんが座って良いよっていうから言われるがまま座ると、今度は隣のおばさんが英語であなたが教会に来るのが始めてだっていうのをみんなで歓迎していたのって教えてくれた。その言葉でやっと理解できた。そういや、入り口で教会は初めてかって聞かれたから、素直にそうって答えて紙に名前とか書いたんだって事を思い出した。
まぁ終わってみるといい経験だと思えるけど、その時は生きた心地しなかった。でも韓国の人はもちろん他の国の人たちはみんな親切でいいヤツばかり。少しでも疑った自分が恥ずかしかった。唯一のコミュニケーション手段は英語だけど、こういうのを何度か繰り返せば全く分からない未知の言語も理解できるようになるような気がした。サンタがくれたちょっとしたヒラメキ。