無垢と無知
こっちに来てここでの生活にも慣れてくると、周りの状況が良く見えてきて、それを見て観察する余裕が出てくる。そんな中、最近は大学が春休みって事もあってか、多くの日本人がここを訪れている。そして街を歩いていて、それがどんなに遠くからでもそれが日本人だと分かる。それは自分が日本人だからというのではなく、カナダ人やその他の国の人からでもだいたい認識できるそうだ。これは前に書いたけど、格好が第一の理由。あとは公共の場での日本人の取る外国人から見ると少し変わった行動が原因。
例えば、ファストフードの店などで、自分の荷物を置きっぱなしで席を平気で離れる人や、口のあいたバッグをイスにかけたまま理解不能な言語(日本語)でおしゃべりに夢中な人、道端でたむろして座り込んでタバコ吸ってる人、バスなど公共の乗り物で寝る人、地図を大きく広げうろうろ街中を歩く人等など・・・。それらにひとつでも該当し、面白くもないのにいつもにやにや笑っている人がいれば、それは間違いなく日本人らしい。
確かに日本にいるとき、自分も毎朝、電車に乗って、まぁそのほとんどは記憶があんまりない。つまり寝てたって事。でも外国でそれはとんでもない事で、外国の人が日本に来て最初に驚くことのひとつの事らしい。*1こっちに来て知り合った人で、日本に行った事のある人達は十中八九その事を懐かしがって言う。そんだけ衝撃の事をこっちでやっちゃいけない。あと地図を街中で見ながらも、あんまりおすすめしない行動。いかにも旅行者ってのがバレバレで、すぐに悪いやつらにマークされる。いい人も多いけど、そうじゃない人のほうが多い事を悲しいけど認識する必要がある。
あと買い物するとき、いかにも高いぜっていうブランドの財布を、これ見よがしに出しちゃとっても危険。もうそれだけで金盗ってくれっていってるようなもん。ブランドも好き好きでこれも前に書いたけど（記事）、それが最上だと感じてるんなら別にそれはどうでもいい。ただ出す時気をつけろ！店を出た後、「志村！後ろーっ！」って言ってくれる子供達はそこにはいない。話がそれるけど最近、ヴィトンの財布を持った男が増えてきた。個人的にだけどこれはキモイ。ちなみにハタチになったオレの弟は持ってた。女からもらったらしいが、アホの典型である。
自分の事だけど、現金はほとんど持っていない。この前、財布開けたら日本円で１００円もなかった。正直、これにはちょっとびびった。２０代後半の男が財布にそんだけしか持ってないなんて日本じゃ考えられない。小学生以下である。でもちっとも困らない。今の生活で現金が必要なのは、クレジットカードが使えないチャイナタウンと人と飲んだ後のワリカンの時ぐらい。もうびっくりするぐらいカード社会。
一番の問題は日本という国自体があまりに平和すぎて、多くの日本人がそのままの感覚で外国という全く違う文化を訪れている事。日本人は金を持っているっていう事は(オレは持ってない)、当然ながら誰もが知っている事で、犯罪を企てる輩のいいカモ。それなのに知らない人に対し、あまりにも無防備なのは考え物。特に女の子は男以上に気を付けなきゃならない。そういう奴らの手口は色々だけど、だいたいが英語をエサに彼女達の好奇心をくすぐる。中にゃホントに親切心だけの牧師みたいな人もいるだろうけど、そうじゃない奴らが教える事ができる英語はただひとつ。それはベッドの上での英会話。ムカつく事に日本人女性のカラダを乗り継いで生活してるとんでもないカナダ人も結構いるんだから。
例え、親のスネかじりで留学してきたとしても、ここには親以上に信頼できるものはなく、来た以上は自分の足で歩かなきゃならない。無垢なのは純粋っていう意味ではなく単なる世間知らずで、知らないって事はもはやそれ自体が罪だって事を自分で気づかなきゃならない。ただ、いい人もたくさんいる。せっかく外国で生活してるんだから、その人達の優しさとかに触れるのはすごく重要な事だと思う。その辺の違いはオトナなんだからみんな分かるよね？コイツ、やべぇなって感じたら、そいつは絶対やばいんです。自分の直感を信じて絶対についてっちゃダメ！
同年代のカナダ人は日本人よりずっとオトナで成熟した考えを持っている。むしろそれが世界的に見て普通で、日本人が異常。これまでのニッポンを作り、支えているのは自分の娘に煙たがられて、洗濯物を分けられるオヤジ達。そしてそれを助け、支えているのは昼のワイドショーを見ながら、ワタシの人生こんなはずじゃ・・って思いにふけるオバハン達だ。彼らは頭は古いが、常識あるおっさん、おばはんである。いいか悪いか何とか日本は今も国として成り立っている。でもこのまま今の若い世代*2が、オヤジやオカンになるとき、きっと日本は沈むなってそう思う、今日この頃。
