『AMERICAN BEAUTY 』

AMERICAN BEAUTY

映画『AMERICAN BEAUTY 』を見た。何を今さらとか思うかもしれないけど、実はコレ初めて見た。ホントは見たと思ってた。何故、気づいたかというと最近、図書館でこの映画のシナリオ本を借りて読んだから。英語の勉強にって事で見た事あるヤツならいいかなって思って読んでみた。しかし、いくら読み進めてもその映像が思い浮かばない。ただ本はすごく面白かったからすぐに読んじゃった。んで、やっぱり読んでねぇって改めて気づいて、ビデオを借りて見ることにした。
図書館では本だけでなく、最新のビデオやDVD、CDまで当然タダで借りられる。どおりでちょっとしかレンタルビデオ屋が見当たらないわけだ。(まぁ、オレが気づかないだけなんだろうけど)さすがに最新のものになると予約しても中々、自分に回ってこないけど、アメリカン・ビューティーは99年の作品だから、予約してすぐに手に入れることができた。借りてから思い出したんだけど、確かに一回コレ借りてた。ただ借りたものの見る時間が無くて、もったいないけど、そのまま返したみたい。結構、そういうのあるんだよねぇ・・・そんで見ないで返した映画はあんまり借りようとしないの。何か金出してもっかい借りるのがバカらしいし・・・あぁ、貧乏性だなってつくづく思うよ。きっといい映画いっぱい見逃してるはず。

それはさておき、見た率直な感想・・・。こういう映画ってすごくスキ。脚本自体の面白さもあるけど、映像と音楽の融合した美しさに、Kevin Spacey(ケビン・スペーシー)のキレた感じがよくマッチしてて、とてもよく出来てる.。物語のトーンは決して高いほうじゃないけど、それが日常ってもんだから。
そしてアメリカの抱える様々な問題を、欲張りすぎるぐらい取り込んでいるにもかかわらず、うまくかみ砕いて自然に見せている。銃社会、同性愛、リストラ、ドラッグ、DV、両親の不仲、不倫、自分の子への接し方、人生の儚さ、そして幸せ・・・。軌道修正できるチャンスはいくつかあるのに変えられない、変えることができない。愚かな事だと思うけど、なかなか自分は変われない。だからこそ長い人生の中の一瞬一瞬の美しさがより映えるんだと思う。他にも多くの要素が散りばめられていて、とても考えさせられる。
極めて異質なブラック・コメディで、最後に思いもかけないミステリーがあり、今のアメリカ社会を万華鏡的に見せている。さらにいくつかのラブストーリーがあって、自分で作り上げたカゴに閉じ込められてしまった閉塞感も、そこから逃げ出したいといった脱出願望についても、うまく語られている。孤独感や、怒り、笑い、悲しみや喜び、そして美・・・。人間の誰もが持つ自然で当たり前の感情がぎっしりと詰まった最上の一本。
前に見たことある人!もう一回見たらまた違った考え方が芽生えると思うよ。自分ではあまり気づかない心の成長がきっと掴めると思う。そして見るたびに印象が変わる数少ない映画だと思う。ただ、根底にある人生なんて自分の考え方次第で良くも悪くも簡単に変えられるんだよっていう、ありふれて分かりきった、だけどオレも含め、みんなが忘れかけてるメッセージはしっかりと感じ取れる。
そして常に問いかけてくる。あなたにとって人生とは?幸せとは?と・・・