素晴らしき指導者。

先日、ブッシュとイスラエルのシャロン首相との会談があってプレスの質問に答える場面がテレビで放送された。あとフランス語が母国語の高官？も一緒に。シャロン首相もそのフランス語を話す男も記者の質問にそれぞれの母国語で答え、その後に通訳などを介さず同じ事を自らが英語で答えていた。
その場にいるプレスたちは最低でもバイリンガルで数ヶ国語も操るのは別に特別な事ではないようだった。シャロン首相の話す自分には全く理解不能な言語とフランス語の両方を記者達は当然のように理解しているように見え、とても次元の高い空間のようにも感じた。
ただその場にいた一人の男を除いては・・・。
その男とは、アメリカの素晴らしき指導者、ジョージ・W・ブッシュ大統領。
それぞれがヘブライ語、フランス語で答えている間、ブッシュは動物園のチンパンジーが始めて火を見たときのようにきょとんし、これ以上ないくらいのアホ面をブラウン管に晒していた。
分からないなら何故通訳を横に座らせないのか？（まぁ英語の説明もあるんだろうけど全く同じじゃないと思うし）自分の横にだけ通訳を座らせるのは彼のプライドが許さなかったのかどうかは分からないけど、かなり長い間、画面に晒したあまりにも情けない姿、頼りない表情を我々に脳裏に焼きつかせてくれた。
こういうのって今度の大統領選に少なからずとも影響するのでは？とも感じた。まぁ、それがなくとも国民はとっくに気づいているんだろうけど。
前にもこれに少し触れたけど、英語が母国語の人って他の言語をあまり学ぼうとしない。それは英語が世界の公用語になっているから仕方がないし、あまり必要ではないことなのかもしれないが、あれだけ世界中を戦争という無意味な事態に巻き込んだ国の仮にも大統領という地位にある人間がひとつの言語しかしゃべれないのはどうかなと思ったりもした。
彼のその姿だけを見ていると、アメリカやイギリス以外の国々はそれらの属国でしかないと考えているようにしか思えなかったし、英語以外の言語を使う人々は彼の中で定める人間の定義から外れた存在なのでは？とさえも感じられた。
その国の言葉を学んでいると、その国の文化や習慣も自然と見えてくるものだし、より深くその国の人々を理解する事ができる。彼があまりにも傲慢なのはそういった人との本当のふれあいのないまま、昔から金の力によって甘やかされて、自分の周り以外には大した感情もなく育てられたせいもあるのかなと感じた。
今、アメリカを牛耳っている彼を取り巻く上流階級と呼ばれる傍目には煌びやかなようだけれども、中身の貧しさを隠し切れない階層の縮図が彼の姿からよく見えた気がした。