バンクーバー 2日目

Backpacker


疲れからか予定より遅い目覚め。ユースホステルのキッチンで昨日買っておいたトーストで簡単な朝食をとった。出かける前に、フロントへ寄ると迷子になっていた大きなバックパックが2つ届けられていた。昨日のヒゲオヤジが多分届けたんだろう。ようやく事態を理解し反省したみたいだ。あとで分かったことだけど荷物は何故か一度ヴィクトリアに戻ってもう一度バンクーバーに来たらしい。積み忘れだろうけどホントいい加減。
大事な荷物のほとんどがバックパックにあったせいでかなり不便だった生活(一日だけだけど)からちょっと抜け出した。必要なものを取り出し、とりあえずの目標である家探しを始める。手始めに日本の食料品店の『みんなのコンビニ屋』っていうおかしな名前の店に行った。店内は思ったより広く、日本のありとあらゆるものが棚に並んでいた。値段は高いけどちょっとだけヴィクトリアより安い気がした。ここなら金さえ出せば日本の食材はきっと何でも手に入ると思った。
店の奥には100円ショップまで併設されていて、二階にはカラオケとマンガ喫茶レンタルビデオ屋まである。もうその空間は日本と何ら変わりがない。ダウンタウンで一番人通りがあるRobson St.にあるから店内は結構混んでる。大半が日本人をはじめとするアジア人が客だけど中にはカナダ人観光客とかもいて、彼らにとっては意味不明であろう日本語のパッケージの食材をそれぞれ手にしていた。
この店の二階には掲示板があって、留学生やワーホリの人達にとって貴重な情報源となっている。主な情報は賃貸情報、部屋の引継ぎ、引越しセール、求人情報など。この時期は人の出入りが激しく物件がかなりあるらしいけど、それを上回る数の人達がそれに群がるためかなりの競争率。実際、ここでいいと思って連絡をとった物件の全てはすでに決まっていた。バンクーバーはカナダでの留学者の拠点としてもかなり整っているから、街中に大小様々な留学エージェンシーがある。それぞれに掲示板があるため、それをひとつずつ訪ねた。エージェントというと何だかお金がかかりそうだけど、ここではそんなものは必要ない。エージェントは生徒を紹介した学校から紹介料として授業料の何%かとったり、ホストファミリーを紹介したりすることから発生するコミッションなどで経営している。(もちろん、日本で申し込み何から何までやってもらうのはタダではない。)
だからとりあえず人に来てもらわないと始まらないからインターネットを自由に使えるのが当たり前のところが多い。今回はこれもかなり役立った。インターネットカフェもあるけど、有料だとバカにならないからね。日本語が見れないところも結構あるし。その点、留学センターはタダだし、当然日本語も見れるし打てる。ここではネットで結構大きな掲示板の情報をひとつひとつチェックした。それでもなかなかいいと思う物件は見当たらないし、あってもすでに決まってたりする。
探していたのは即入居可でテイクオーバーなし、引き継ぎなし、ダウンタウンの治安のいい場所、家賃安め、3階以上、洗濯機付き、家具と生活用品付きっていうかなりワガママな物件。
テイクオーバーってのは前の住人が使っていた家具や電化製品などの生活必需品をそのまま買うってやつで、情報の中にはかなり足元見てるのが多くて、法外な値段をふっかけてるのもかなり多く見られた。全く使えそうもないものに1000ドルとかの値がついてる。当然、出て行くときはだいたい持っては行かないから次の人に売らなきゃならない。これが結構足かせになってかなり負担。逆にそれを利用して儲けようとするやつもいて自分が500ドルでかったものをいくらか乗っけてるふざけたヤツもいるようで、モノを見る目まで要求される。それをいくらでその人が買ったかなんて分かるわけないからね。その人がそれで買ったって言えばそれまでだし。
それと密接な関係にあるのがアパートの引き継ぎ。だいたいテイクオーバーとセットだったりする。通常の部屋を借りるのは1年契約とかの年単位が主流なんだけど、そんなに長い間住む人はあんまりいない。みんな、いても数ヶ月。そこで最初に誰かがアパートを年単位で契約して契約期間を残したまま、次の入居者を自分で探す。その際に最初の入居者がアパートの管理会社に支払ったデポジット(家賃の半額)を次の入居者からもらうってそれをまた繰り返すっていうシステム。これも結構面倒だと思う。自分は出たいのに引き継ぐ人が見つからないと、そこにいるか家賃を払うかしないといけないみたいだし、それを考えながら住むのは落ち着かないと思った。
あとダウンタウンの近くがいいのは何かと便利だし、何より他よりはまだ安全だと思ったから。もちろん、ダウンタウンは変なのがいっぱいいるけど人通りもあるからね。でもダウンタウンにも表の道と裏の道があって、はっきりとそれが分かる。ほんの数メートルしか離れていない通りは人で溢れてるのに同じ広さのその通りには誰もいなかったりとちょっとスリリングな空間があったりする。ダウンタウンから少し外れるとドラッグ中毒者ばかりの街やレイプや強盗など色々な犯罪が発生する地域が色々あって平和ボケしたオレ達ニホンジンには想像し得ない環境があるようで多少家賃が高くても保険として治安のいい場所を選ぼうとした。とりあえず、色々と探し回ったけどこれといった物件もなく、翌日に発刊される情報誌を待つ事にし、ユースへと戻った。ユースでは昨日に続き、またパスタ。続けて食べるとさすがに飽きるけど、昼にたっぷりとブラジル料理を食べたから、気持ち的にはそうでもなかった。窓の外は夜遅くまで騒がしく、なんだか寝付けなかったから、ヴィクトリアから持ってきたラムを飲んで再び固いベッドに身を委ねた。とにかく歩きつかれた一日だった。



◇滞在したホステル◇



Global Village Backpackers Vancouver Inc
1018 Granville Street, Vancouver, BC V6Z 1L5, Canada
(604) 682-8226
http://www.globalbackpackers.com/

ロビーの隣の部屋にはテレビがあって、みんなは『風雲 たけし城』を見てました。みんな大笑いです。あと料理の鉄人もやってます。すべて吹き替えだけど例の「福井さんっ!!」って呼び方は全く同じテンションです。あと加賀丈史だけは吹き替えなしで英語字幕です。ツボを抑えてます・・・!?