ロスト・イン・トランスレーション

Lost In Translation

こっちに来てから初めて映画館に行ってきた。なんと大学内に併設された映画館。大学内だけあって多国籍な上、前に座ってた女性二人はレズビアンで始まる前にいちゃいちゃキスしてたりと独特の雰囲気の中で上映。日本では静かにしなきゃいけないって風潮の映画館だけど、こっちでは笑うときはみんな大声だし、色々喋ってたりと家でくつろぎながら見てる感じ。例えて言うならドリフのコントで声だけ聞こえる笑い屋のおばちゃん達がずっといるみたいな・・・。
映画は『Lost In Translation』ってちょっと前の作品。サントリーウイスキー「響」のCM撮影のために、単身来日した米スター(Bill Murray・ゴーストバスターズに出てた)が日本語の壁と文化ギャップで、孤独感を味わっている時、多忙なカメラマンの夫についてきた孤独な若い人妻(Scarlett Johansson)と知り合い、やがて2人は生きる力を見いだしていくって話。笑いも詰まったプラトニックなラブストーリー。

ほとんどが日本ロケで都内の色んな所や京都などで日本の実情が外国人ならではの視点で捉えられていてすごく新鮮な感じ。今まで作られてきた映画では少し悪意のある感じに描かれてたり、明らかに誤った解釈のままの日本人がいたりと散々だったけど親日家の監督(ソフィア・コッポラ)だけあって自分の過去の経験から得たエッセンスが上手に散りばめられていてとてもリアル。忙しない表現も携帯の着メロのテンポだったりと多少の皮肉もいいスパイス。面白いのは台詞の3割近くは日本語って所。もちろんそこには親切な英語字幕なんかあるわけでもなく観客をまさにLost In Translationの世界へ引き込んでるって趣向。あとあの『BEST HIT TV』のマシュー南藤井隆)もこの映画にちゃっかり出てて、ベネチア映画祭デビューしてる。いつものあのテンションとダンス?で失笑をかってたけど・・・。ほとんどが文化と言葉のズレから発する笑いだから日本語が分からなくても笑えるし、もちろんその逆もあるから見せ方はうまい上、発想は斬新。ただちょっとテンポが悪かったりするところもあったりして途中だれちゃったりもしたけど、腹抱えて笑う所も色々あるし、見る価値はあるから興味があったら見てみて!
おすぎは2000円。オレは★★★☆(五つ星満点)ってところ。