一期一会

フォレストガンプ

今日はこっちで働いてて気づいたことを少し・・・。
こっちでは店に入るとほとんどの店員が”Hi there"って声をかけてくる。友達同士でも使う簡単なあいさつのひとつ。カナダに来たばかりの頃はそれが”Hi they’re”なのか”Hi there”なのかさえも分からなかった。学校で聞いてようやく分かったんだけど、今はそれを自分が使ってるんだよね。ちょっと変な感じ。
そこから最近どうよ?みたいな話が始まって、今売り出してるアイテムとかを紹介するのが最初の基本なんだけど、みんなちゃんとそれに何らかのお礼を言ってくれる。まぁ、それは社交辞令というかあいさつの一連の流れで、いたって普通のことなんだけど、それに何の反応を示さない人たちがいるんです。
恥ずかしいことにそれは日本人が多いんです。これはオレがまだ働く前のことだけど、こんな事があったそうです。
店にはたまにあんたアジア人だろうけど一体何人だよ?!って人が来ます。そんな時は無難に英語で話しかけます。でも無反応。次に日本語で話しかけても反応しません。その時、たまに店に出てくるオーナーが、出て行くその人たちを見ながら小声で中国人かな?って呟いたそうです。(中国人はこっちに来ても英語なんかほとんどしゃべらないし、特におばちゃんたちはこっちに中国語で話しかけてくるからホント大変です。5/16参照)そしたらそれがどうやら聞こえてしまったようで、入り口で振り返るなり「日本人ですっ!!」って大声で捨て台詞を吐いて出て行ったそうです。これはオーナーもアホなんだけど、その人も似たようなモンです。あいさつぐらいしましょうよ、子供じゃないんだから・・・。
例えば、バスを降りるときとか、こっちでは必ずみんな”Thank you!"って運転手さんに言うんですよ。どんなイカついあんちゃんでもハラでも痛くない限り、必ずといっていいほどお礼を言ってから降ります。いい文化だなって思います。ただ日本でこの文化はあまり根付いていないので、特に東京とかでやるとみんなの注目を集めるでしょう。
でもここは外国です。それを言うのはすごく普通だけど、逆に言われないのは、こっちの人にとってあまりいい気はしないでしょう。人間ですからね。
こっちは客を見たらはドロボウって思えっていうのがまず最初にあって、私は客ですよ!っていう意思表示にあたるのがあいさつになるんです。無言で入店して、こちらの言葉に何の反応も示すことなく、日本のように黙って品物に触るのはこっちでは許されないんですよ。多くの日本人観光客は色々なところで平気でそういった事ををやるので、こっちではあまり好かれていないようです。マナーすら身につけていないのに似合いもしないブランド品を買い漁ってるんですからね。
オーナーもいつまでも世界の流れについていけず、中国人同様、外国を我が物顔で歩き、自国の感覚のままで外国を訪れる日本人に嫌気がさしているようです。そしてそういった人たちは必ずこう言います。どこに言っても日本人ばかり!と・・・。当たり前です。その人たちがわざわざ日本人が沢山いる場所に行ってるんだから。
ただ、日本人もそんな人たちばかりじゃありません。逆にオレは日本人のやさしさに触れる機会のほうが多かったりします。接客したみんなが頑張ってねって応援してくれます。先日は何人かの日本人が来店してきて、その人たちと色々と店内で話しました。全然、年の離れたおっちゃんたちでしたが、話すにつれすごく仲良くなりました。別れ際に日本に帰って来て、就職先がもしなければ、うちにおいでと名刺をもらいました。名刺をみると岡山の会社の社長さんでした。社交辞令ではあると思うけれど、不安な海外での仕事をしている自分にとっては何よりうれしいものでした。
店には世界中の様々な国の人たちがやってきます。カナダの東側から来る人やカナダのお金分かんねぇよと呟くアメリカ人、最近やたらと増えてきた何言ってるかよくわかんないオーストラリア人などなど。
今の時期はほとんどが観光客であったりするため、本当に色々な国から多くの人々がこの地を訪れて来ます。
そこでふと思ったのが、もしかしたら一生その人たちとは会うことができないかもしれないっていう事。でも自分がカナダという土地に来たからこそ、その人たちに出会え、話をすることが出来るんだって・・・。だから常にその時の自分のベストで接することが出来るようにしなきゃなって最近強く思うワケです。それでそれぞれの国に帰って、ちょっとでもその人たちの旅の思い出のひとつにでもなれば、すげぇうれしいなって思うんです。