バンフへ

Greyhound

夕方、バンフへ向け、長距離バスの”グレイハウンド“に乗った。移動時間は途中の休憩なども含め、約13時間。最初はちょっと長い気がするけど、寝てればすぐに着くだろうと考えていた。
考えが甘かった・・・。どれだけ走っても、同じ景色の連続。すれ違う車なんて一時間に1台ぐらいとほとんどない。
寝ても一時停車して休憩する場所に着けば強制的に電気がついて目を覚ましてしまう。おまけに座るシートは大していい座り心地でもなく、窮屈なおかげで尾骶骨や腰に痛みを感じながら寝るような感じだった。
フランスに飛行機で同じ時間行ったときとは全然違った。最初、バスは飛行機と違って陸だから疲れたら外に出て体を伸ばし、外の新鮮な空気が吸えるからバスの方がいいのでは?なんて事も考えていた。あの時も同じように、どれだけ飛んでも、全く近づいている気配すら感じなかったが、思い返せば、今回の旅に比べれば何よりも快適だった。シートやトイレなどのいろいろな面で・・・あとお酒・・・。
酒は当然、バスの中で売ってるワケがないし、法律のためその中で飲むことすら出来ない。ってかそれが出来ないと狭い車内ですることがない。まぁ、それはそれで問題なんだけれども、おれらの頭ではそれぐらいしか思いつかない。ただただ苦痛に耐える時間が永遠にも感じられた。
実は7月にバンクーバーを離れた後はバスでカナダ横断しようと考えたときもあった。それはBanffで働こうと決めてからはなくなったものの、つくづくそれをやめにして良かったと思った。
その旅をするなら一ヶ月とか月単位のフリーパスを買ってする予定だったし、高い金払ってしまった後でたった13時間の移動で根を上げてるようじゃ話しになんないしね。ホントやらなくてよかった。辛い旅だっていうのは、それをやった人たちから聞かされてはきたけど、飛行機を使って短時間で何の苦もなく移動するよりは、バスで何日もかけて広大な土地を目の当たりにしながらの旅もいいのかな、なんて考えたりもしてた。甘すぎる考えだね。
隣に座っていたのはチャイニーズのおばあちゃんで家はカリフォルニアにあるらしく、飛行機は嫌いだからと、カリフォルニアからバスでバンクーバーを経由してカルガリーまで行く途中だった。カルガリーはバンフよりまだ先・・・ばあちゃん、あんたぁすごい!自分にはムリでした。ごめんなさい。


▼バスでおれの目の前に座ったファンキーなオヤジ。ネストマン(巣男)と勝手に名付けてそう呼んでいた。30分のディナーブレークで彼がレストランで食べ物をアタマの中に押し込んでいるのを確かにおれは見たのだが、相方は信じちゃくれなかった。今、志村の気持ちが痛いほど良く分かる。
写真は一時停車してバスを出ての休憩中に景色を撮るフリして収めたつもりがオヤジそれに気づいてしっかりこっちを見てやがる。おまけに写真はブレてる。きっと彼の念力か何かだ。